20文字を越える 001-100
私を嫌いだと言うその口で、君は私に愛の言葉を囁く
悲しいほどに優しい君の繋いだ手は冷たく、心は温く
冷たい風は全てを凍えさせ、僕らの思い出さえも
「誰かのために」、本当は自分がやりたいだけなのに
終わりよければ全てよし――無責任なだけでしょう
僕には君が必要で、君が僕を必要としないなら
「愛している」と告げるたびに遠ざかる僕らの距離
手に入らなければ壊す、とても簡単で残酷な方法
誰よりも愛してる、ならば今その瞳に映っているのは誰
愛しているからと、その言葉で誰を追い詰める?

ひとりで頑張ろうとなんてしなくてよかったのに
人をこき使うのはいい加減にして少しは休ませてくれ!
言葉は通じるけれど、その声は心には届かない
どんなに焦がれても手に入れられない夢を見た
囚われの英雄は誰よりも気高く地獄を見つめた
仲間がいなければ立ち上がることもできなくて
かけられた期待の重さに潰れてしまった彼は
勇者、それは不法侵入して家捜しをするものなり
会えなくても大丈夫だから、最初で最後の嘘をついた
変わらぬ日々を厭う君は、幸せな時間に麻痺していた

大切なものを捨ててしまえば自由になれると思っていた
彼女は俺の気持ちを知っていて、別の愛しい男の話をする
疑うぐらいなら信じたほうがいい――今もそう思えるだろうか
僕は君が大好きで、君は僕が大嫌いで、そんな僕らの関係
もっとも世界を愛する人が、もっとも強く世界の滅びを願った
余計な一言でこじれた関係の修復は、こじれさせるよりも難しく
僕らは生きている。ただ機械的に同じ毎日をこなしながら
受け止める器がなければ、全て流れて消えてゆくのだろう
「私は紙だ!」「平べったいな、っておい、風に飛ばされてるぜ」
あなたは頑張れと言うけれど、これ以上何を頑張れと言うの?

惚れたのは僕だけど、ちょっと君のそれ、どうにかならない?
「そいつを寄越せば見逃してやるよ」「いいよ」「……え!?」
愛する人を失った少女は正気を失い、奈落の底へと導かれ
分岐点なら私は見晴らしのいい右に、君は道なき道の左へ
君が孤独を望むのなら、僕は君を絶対に独りにはさせない
君が僕を生かし、君が僕を殺すのだと信じて疑わなかった
あなたさえいれば……夢を見ていた僕らが現実を知るとき
戦い続ければいつか終わりが来るものだと思っていた
目的のために愛しい人を切り捨てることもためらわなかった
努力すれば何にでも手が届くと思っていたから

心が揺れ動く君を、引き渡すことはできないから
尊くて、愛しくて、触れることさえ叶わなかった
限りがあるからこそ、僕らは前に進んでいける
見知らぬふりをしても、必ず関わってしまう不幸せな日々
誇れるものがない自分をあなたは好きだと言った
頑なな心を溶かされるほど弱くなっていく意志
永久に共に――永遠などないと知っていた僕らの誓約
偽り、誰にも気づかれなければそれが真実となる
生きていればいつかいいことがあるから、なんて無責任な言葉
できることならその苦しみを分かち合いたかった

この身体に流れているものは両親のものではなかった
追い詰められれば、きっと僕の名前を呼ぶと思ったのに
立ち尽くして幸せが運ばれてくることを待ち続けた
生き方は選べるのに、どうして死に方を選べないの?
たとえ返されるものがなくても、私は君だけを愛し続けるだろう
残酷な運命に翻弄されても立ち上がれる強さを
転んでも大声を上げれば何もかも解決していたのに
生きている意味はなく、死ぬ理由もない中途半端な存在定義
刃を手にしたのは誰かを傷つけるためではなかった
許しを請う声が聞こえども、許す声はいつまでも聞こえず

輪廻転生を信じる僕らは、また会う日の約束をし、同時に飛び降りた
毎日殺戮を繰り返して、真紅の雨を大量に浴びるばかりのバラ色の人生
君がそれでよくても、僕はそれをどうしても認めることができなかった
どうしてこの世界は、何かの犠牲を出さなければ存在を保てないのだろう
束縛されるのは嫌い。だから誰にも関わらないで生きていければいいのに
目隠しすれば世界は見えないけれど、以前よりも世界の声が聞こえるようになった
誰かを罵って楽になったその後に忍び寄るのは
傷だらけになっても変わらぬ意志を貫き、持ち続けられるあなたならば
夢も希望も自分すらも失くして、それでもまだ何かを求めている
行方も知らず僕たちは、どこまでも続く道を迷いながら進んでいくしかないのだろう

めちゃくちゃに壊したら、君はこの存在に気づいてくれるだろうか
もし一つだけ許されるのならば、今は君に会いたい
遠い昔にした契りが果たされることをずっと願っていた
この脆い腕では全てをスクうことはできないから
振り返ることはないけれど、前を向くことすらもできず
慰めてあげる、そのからっぽの心に入り込んでいいのなら
この痛みも悲しみも愛しささえも偽りだと言うのならば
たとえ僕がいなくなっても、君が君を見失わないように
望みなくして何ができる、けれど望みだけでは何もできない
この先に何があろうと、傍にいることを誓ったからというわけではなく

羨むことも蔑むこともなければ生きることもなく
分かってもらいたい、でも、私にもあなたのことが分からない
あなたから温もりを得られるのはきっとこの体温からだけ
離れて行かないで欲しいから、いつかこの手を放すことになるのだろう
誰にも言わないでね、本当に知られたくないのなら誰にも教えなければいいのに
何の目的もなく、ただ同じ毎日を繰り返しているのは「生きている」といえるのか
迷うぐらいなら何もしないでいればいい、そうして足を止めてからどれほどの歳月が過ぎたのか
知らなかったのは無実、けれど知らないままでいるのは有罪
縋りつく者を切り捨て、一人で立つ者に手を差し伸べ
敵は全てなぎ払う――それが愛おしいものでも同じことができるのか

「豚もおだてりゃ木に上る。今こそ上るときだ。行け!」
「その前におだてろよ」

「俺は足を引っ張るなと言った」
「引っ張ってるのは腕だけど?」
「そういう意味でいったわけじゃない!」

「さあ、私の前にヒレ出すがいい!」
「ヒレ出してどうすんの。てかそもそもヒレあんの?」

「朝起きて、窓を開いて清々しい空気を吸い込むと気持ちいいよね!」
「それは勢いよく窓をぶち壊したことの言い訳か?」

「今までのことは全て水に流そうじゃないか」
「いやぁあああ! 大事な書類が流されていくぅうう!!」

「たいしょうの首、討ち取ったり!」
「こけし落としは下からやるもんだぞ」

ひとりで立っているようで、見えない手に支えられている
生きるための感情、生きているからこその想い
踏みにじられても起き上がれる強さを、くじけない心を
人と違うことを恐れながら、人とは違うことを望む

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